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きが置かれてきた。それゆえ最近、STEPモデルを直接にシステムの実装モデルとして使用する試みが各所でなされているが、製品及び生産過程における動的な情報が入っていないので、それだけで効率的なシステムがすぐさま実現するとは考えられない。GPMEの開発では、今後STEPとの対応を考えており、STEPのモデル構造に沿った形で業務情報を整理し、STEP規格との整合性も取りやすいようにしている。

IAIはSTEPのように広い分野を狙うのではなく、AEC産業だけに焦点を絞って、生産情報のモデル化を計って、IFCを提案している。IFCは製品とプロセス情報を記述するためのクラス群であり、異るシステムの間で共有できるプロジェクトモデルを構築するためのものである。ソフトウエアシステムベンダーはIFCを準拠するシステムを構築し、システム間の情報交換はIFCの形式で行う。情報共有という観点から見れば、GPMEのFL(フレームライブラリ)はIFCと同様な性格なものであるが、FLは情報交換のためだけではなく、実装のためのデータ処理の手続きもメソッドとして定義されている。

WfMCはプロセスに関連するシステムベンダとユーザによって構成される組織であり、プロセス情報記述の標準化を目的としている。WPDLは一般的なプロセス記述言語として、WfMCから提案されており、プロセスの基本概念、構成要素、およびそれらの相互関係を表現するものである。WPDLの定義と開発はまだ初期的な段階であり、実用的な使用例はまだ公表されていない。GPMEのFLは、製品とプロセスの情報を両方とも含んでおり、組み立て産業で使われているプロセスに関する情報を記述するための方法を提供する。

(3)インターネット技術とバーチャルエンタプライズ

過去の数年間、ネットワーク(インターネット)を利用するビジネスは急速に進展してきた。それと同時に、ネットワーク応用とシステムの相互運用に関する研究及び標準化も積極的に行われてきた。WWW(World Wide Web)の出現はインターネットにおける情報の頒布とアクセスを大幅に簡単にし、Javaの出現はコンピュータプラットフォームに依存しなく、インターネットを活用するアプリケーションの構築を可能にした。さらに、インターネットを利用したシステム構築の基準として、ネットスケープのONE(Open Network Envi-ronment)とマイクロソフトのActiveXが提案されている。

CORBA(Comon Object Request Broker Architecture)は、ネットワーク上でのシステム運用を支援する分散オブジェクト指向技術であり、システム間のオブジェクトデータ交換の規格を決めている。さらに、システム相互運用のために、KQML(Knowledge Query

 

 

 

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